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新概念「ロコモティブシンドローム

運動器を長期間使い続けるための新しい概念「ロコモ」

日本は世界にさきがけて高齢社会を迎え平均寿命は約80歳になっています。これに伴い運動器の障害も増加しています。
入院して治療が必要となる運動器障害は50歳以降に多発しています。このことは多くの人にとって運動器を健康に保つことが難しいことを示しています。

多くの人々が、運動器をこれほど長期間使用し続ける時代は、これまでありませんでした。
長期間運動器を使い続ける新しい集団の出現です。従来の運動器機能障害対策の単なる延長線上では解決がつかない時代を迎えたことを意味します。

新たな時代には新たな言葉が必要になります。
日本整形外科学会では、運動器の障害による移動機能の低下した状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(以下「ロコモ」)(locomotive syndrome)」を提唱し、和文は「運動器症候群」としました。
Locomotive(ロコモティブ)は「運動の」の意味で、機関車という意味もあり、能動的な意味合いを持つ言葉です。運動器は広く人の健康の根幹であるという考えを背景として、年をとることに否定的なニュアンスを持ち込まないことが大事であると考え、この言葉を選びました。

自分で気付くためのツールとして「ロコチェック(ロコモーションチェック)」と、ロコモ対策としての運動「ロコトレ(ロコモーショントレーニング)」のパンフレットを作成しました。

「ロコモ」と「運動器不安定症」の違い

「運動器不安定症」は保険収載された疾患概念で、運動機能低下をきたす疾患(またはその既往)が存在すること、日常生活自立度判定がランクJまたはAであること、運動機能評価テストの項目を満たすこと、が条件となります。

一方、「ロコモ」はより広い概念で、運動器の障害により移動機能の低下した状態を言います。 運動器障害は徐々に進行することから、自分で気付くことが重要です。

これまでの高齢者に関する研究や臨床経験から、例えば「階段を上るのに手すりが必要である、15分くらい続けて歩けない、片足立ちで靴下がはけない、横断歩道を青信号で渡りきれない、家のなかでつまずいたり滑ったりする」場合などが含まれます。

「運動器不安定症」とは

「運動器不安定症」は、例えば「歩行時にふらついて転倒しやすい、関節に痛みがあって思わずよろける、骨に脆弱性があって軽微な外傷で骨折してしまう」などの病態を疾患としてとらえ、それに対する運動療法などの治療を行うことによって重篤な運動器障害を防ぐことを目的にこの病態を認識していただくために命名された疾患概念です。「運動器不安定症」の英文名はMADS(Musculoskeletal Ambulation Disability Symptom Complex)です。

定義:
高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態。
診断基準:
下記の運動機能低下をきたす11の疾患の既往があるか、罹患している者で、日常生活自立度あるいは運動機能が以下の機能評価基準1または2に該当する者。
運動機能低下をきたす疾患:
①脊椎圧迫骨折および各種脊柱変形(亀背、高度脊柱後弯・側弯など)
②下肢の骨折(大腿骨頚部骨折など)
③骨粗鬆症
④下肢の変形性関節症(股関節、膝関節など)
⑤腰部脊柱管狭窄症
⑥脊髄障害
⑦神経・筋疾患
⑧関節リウマチおよび各種関節炎
⑨下肢切断
⑩長期臥床後の運動器廃用
⑪高頻度転倒者
機能評価基準
日常生活自立度:ランクJまたはA(要支援+要介護1,2)
運動機能:1)または2)
1)開眼片脚起立時間
15秒未満
2)3m Timed up and go test
11秒以上
「ロコモ」については日整会広報室ニュース76号(2009.1.15発行)の内容の一部を抜粋しています。詳しくは広報室ニュース76号をご覧ください(会員専用ページ)。
また、「運動器不安定症」について本ウェブサイトの「症状・病気をしらべる」内の「運動器不安定症」の項目をご覧下さい。詳しくお知りになりたい方は、CLINICIAN559号(エーザイ株式会社)で特集を組んでおりますので、そちらも併せてご覧ください。

O脚・X脚

症状

初期症状は外見上の異常のみですが、変形が高度になると痛みや機能障害を呈するようになります。
幼少期に認めることがほとんどですが、青年期発症のO脚・X脚も存在します。

原因と病態

下肢の形態的異常をさします。
O脚(内反膝とも言われる)とは、両膝が外側に彎曲した状態で、左右の内くるぶし(足関節内果部)をそろえても、左右の膝の内側(大腿骨内果部)が接しないものです。
X脚(外反膝とも言われる)とは、両膝が内側に彎曲した状態で、左右の膝の内側(大腿骨内果部)をそろえても、左右の内くるぶし(足関節内果部)が接しないものをいいます。


原因は生理的な変形と病的な変形に大別できます。
一般に、乳幼児の膝は生理的にO脚を呈しており、歩行開始後より徐々に外反していき2歳から6歳にかけては逆にX脚傾向となります。その後、外反は少し減少し、7歳ぐらいで成人の下肢形態(約4°の外反)に近くなります。また、生理的な変化は左右対称であり、痛みや機能障害などの訴えはありません。

病的なものとしては、靱帯の異常(内側・外側側副靭帯などのゆるみや欠損など)、先天的・後天的な大腿骨・脛骨の形態異常(Blount病やくる病、骨系統疾患など)、外傷後の変形(骨端線損傷や骨幹部外傷など)などにわけられ、片側のみの変形では病的なものを考えます。

診断

十分な問診や、理学所見(歩行開始後であれば歩き方も観察します)、単純X線(レントゲン)検査などを行い診断とします。
年齢不相応のO脚・X脚があるか、単純X線検査で異常があるか、低身長など内分泌性疾患(各種くる病)を想起させるものがあるか、家族性(遺伝性)があるか、などを参考に各種疾患の鑑別をしていき、病的疾患が除外できた場合には、生理的O脚・X脚とします。

予防と治療

クル病の1つであるビタミンD欠乏性くる病に対してはビタミンDを含む食品の摂取で予防できますが、それ以外は特に予防方法はありません。

生理的なO脚・X脚については、自然に改善するため特に治療の必要はありません。
病的なO脚・X脚の治療は、保存療法と手術療法に大別できますが、装具を用いた保存療法の効果については意見が分かれるところです。変形が高度になった場合は手術療法が必要となり、一般的に下肢の形態異常を矯正するための骨切り術が行われます。
変形の状態によっては、一時的な骨端線閉鎖を目的としたstaple(O脚では外側、X脚では内側に挿入)固定術を施行することもあります。

腓骨神経麻痺

症状

下腿の外側から足背ならびに第5趾を除いた足趾背側にかけて感覚が障害され、しびれたり触った感じが鈍くなります。足首(足関節)と足指(趾)が背屈で出来なくなり、下垂足(drop foot)になります。

原因と病態

原因

最も多いのは、腓骨頭部(膝外側)の外部からの圧迫により生じるものです。下肢の牽引などで仰向けに寝た姿勢が続いたり、ギプス固定をしているときに、腓骨頭部が後ろから圧迫されると起こります。
ガングリオンなどの腫瘤、腫瘍、開放創や挫傷(ケガ)、腓骨頭骨折やその他の膝の外傷などによっても生じます。

病態

膝関節の後方で坐骨神経から腓骨神経が分岐し、腓骨神経が膝外側にある腓骨頭の後ろを巻きつくように走行します。その部は、神経の移動性が乏しく、骨と皮膚・皮下組織の間に神経が存在するため、外部からの圧迫により容易に麻痺が生じます。

診断

下垂足を呈し、上記の感覚障害があり、ティネルサイン(神経傷害部をたたくとその支配領域に疼痛が放散する)があれば傷害部位が確定できます。腰部椎間板ヘルニアや坐骨神経障害との鑑別診断が必要なこともあります。確定診断には、筋電図検査、X線(レントゲン)検査、MRI検査、超音波検査など必要に応じて行います。

治療

骨折や脱臼などの外傷や腫瘤によるものは早期に手術が必要です。原因が明らかでないものや回復の可能性のあるものは保存的治療をします。3ヵ月ほど様子を見て回復しないものや麻痺が進行するものでは手術が必要になります。

保存的療法

圧迫の回避・除去、局所の安静、薬剤内服、運動療法など。

手術療法
骨折、脱臼などの外傷で手術が必要なものや腫瘤のあるものは、手術が行われます。神経損傷のあるものでは、神経剥離、神経縫合、神経移植などの手術が行われます。神経の手術で回復の望みの少ないものは腱移行手術(他の筋肉で動かすようにする手術)が行われます。詳しくは整形外科医にご相談ください。

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